【9】セックスレス体験記 -あなただって我慢すればいい、というドス黒い感情

夫からの涙の訴え

「セックスができないのが辛い」
思い詰めた顔でそう言ってきた夫。

「セックスが夫婦としての重要なコミュニケーションだった」

「自分の魅力がなくなっているんじゃないかと自信がなくなる」

「全てを拒否されている気持ちになっている」

「寂しい、悲しい、辛い」

夫が俯きながら話しているその姿を見て、
可哀想なことをしてしまっていると再認識しました。

湧き上がるドス黒い感情

しかし、恐ろしいことに
夫を哀れに思う気持ちと同時に
「私だって数年間我慢したんだから、あなただって我慢すればいい」
という感情も、芽生えていたのです。

私は、やりたくないと思いながらずっとセックスしてきた。
嫌だと思いながらも、あなたが求めるならと思って応じてきた。
これまでずっと、我慢して、我慢して、我慢して。

ならば、今度は私がしたくないと言っているのだから、
今度はそっちが諦めて、私の要望に応じてくれたって、いいじゃない。

私はずっと辛かった。ずっとずっと辛かった。
だから今度は、あなたが我慢して、辛い思いをしてよ。

そんな、復讐心にも似たドス黒い感情に支配され、
私はますます、夫とのセックスから遠ざかって行きました。